蛇腹警察Vol.3中山邦雄:Monte Accordion (モンテ アコーディオン)/波寄町・名古屋

毎回蛇腹楽器を取りまく人々にフォーカスしている蛇腹警察!

第三回目は今年で15周年を迎える、名古屋のアコーディオン専門店

モンテ アコーディオンの中山邦雄さんです!!!!!!

Q)中山さんは現在アコーディオンの販売・修理・調律をされて、お店で教室も運営されているということですが、アコーディオンと人生を歩まれるきっかけはどんなことだったのでしょう?ルーツが知りたいです!

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アコーディオンを始めたきっかけはキャンプでした。1990年頃から数名で河原などでキャンプをしていました。今ほどキャンプブームではありませんでしたが、当時もアウトドアブームがありました。食事が終わると暇になるので何かやろう!という事になり、何故か楽器でも弾くか?という事に。他の友人はギターやベースギターなどやるというので、自分はどうしようか..と考えた時、鍵盤楽器ならできると考えました。小学校1年生の頃に1年だけ電子オルガンを習った事と、当時ピアノを習い始めていたからです。外で使える鍵盤楽器..と考えた時に思い浮かんだのがアコーディオンでした。インターネットがまだ一般的ではなかった頃なので情報はなく、名古屋の総合楽器店へ行ってみましたが在庫は無しでカタログがあるのみでした。後に同じ店で発注し、2ヶ月程で手にした楽器はHOHNERの34鍵盤(ドイツ製)のアコーディオンでした。その時は大きくて重いと感じましたが今思えば笑ってしまいますね。これがアコーディオンを始めたきっかけなので、アコーディオンがしたくて始めたという訳ではありません。これは1995年の事でした。

そして、手にしたその日に中を開けました。小学生の頃から分解癖があり、家にある時計やラジオなど殆どの物を分解し、いつも怒られていました。なので、アコーディオンが届いた日に中を開ける事は自分にとってはごく自然な事です。(色々あるのでマネしないでください)

その後、1年も経たないうちに音域が足らなくなり、イタリア製の41鍵盤、ダブルチャンバーを買いました。その楽器は初めて行った海外旅行先のイタリアで買いました。初めてなのに飛行機と最初と最後の日のホテルだけ予約して一人でイタリアへ行きました。カステルフィダルドという所にアコーディオン工場が沢山あるという情報を頼りに行ってみましたが、工場に在庫しない楽器と知り買う事はできませんでした。諦めてローマ観光をしている時に偶然みつけた楽器店にScandalliの41鍵盤があり購入する事ができました。(この店は今はありません)

今考えても無謀な事をした初めての海外旅行でしたが、この時の経験が今に繋がっているのは間違いありません。

Q現在、Cooperfisa(コーペルフィサ)Maugein(モジャン)、Giustozzi(ジュストツィ)、Moreschi (モレスキー) の正規代理店ですが、これらのメーカーを選定した理由など聞いてもよろしいでしょうか??

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Cooperfisaは日本に住むアコーディオン奏者のアンジェロアクィリーニさんの紹介で自分が修理を習いに行ったメーカーだからです。GiustozziやMoreschiはCooperfisaへ習いに行く足で寄ったカステルフィダルドでメーカーを回って、自分なりに良い所があると感じたからです。その他にも沢山のメーカーと話しをして仕入れる事はできる状態にしましたが、価格が高かったり、特徴があまり無いメーカーは売りづらいので在庫として入れなかったという流れです。なので、今も在庫にない多くのメーカーを入荷する事は可能です。

Maugeinは開業以前から気になっていたメーカーでしたので、2019年に訪問して導入する事にしました。新型コロナ流行の直前だったのでギリギリのタイミングでした。

Q)アコーディオンの販売で中山さんが重要視していることは何でしょうか

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自分が開業しようと決めた時、まず目標にしたのは、ピアノや弦楽器、管楽器の専門店の様にきちんとした店を持つ事です。これらの楽器はどんな場所で、どんな風に販売されているか?アコーディオンだけを扱う専門店が殆どない時代でしたので、それらの楽器の専門店から馬鹿にされない水準を作る事が目標となりました。収入が安定していて仕事も好きだった会社を辞めてまでする事なので、単に好きだからとか、趣味道楽で行う訳ではなく、職業として生計を立てて行く必要がありました。それには楽器店として当たり前に行うべき事をしなければと思いました。具体的には、専門知識を持った人が整備、販売、レッスン指導を行うという事と、楽器店らしい売り場です。それ以外に何か特徴を出そうとか、目立つ事をする必要もありませんし、余力もないので、当たり前の実現に全力投球する事だけを考え今に至ります。今もまだまだと思っているので、今後もすべきことだけ考えていくつもりです。

Q)修理・調律で大変なこと、奏者に伝えたいことなどがあればお聞きしたいです。

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アコーディオンは部品点数がとても多く、生産は人の手で時間をかけて行う必要がある楽器です。この事が楽器の値段を高額にしていますが、これは生産時だけではなく、修理や調律の時も同じ事が言えます。ピアノの調律は簡単な事ではありませんが長くても1日で完了します。アコーディオンは1日では終わりません。41鍵盤、HMMLの全体調律はどんなに早くやっても3日掛かります。実際には調律前に行う修理、調整などが必要なので更に時間は掛かります。なので、一人の人間が1ヶ月に整備できる数は限られます。それで生計を立てるには1台当たりの整備費用を高額にするしかありませんが、ピアノや管楽器、弦楽器などの時間当たりの作業費と同じにできていないのが実情です。アコーディオンの修理だけで食べて行く事は難しく、販売と教室を併設し、従業員は無し、というやり方で何とかしています。アコーディオンの専門店が職業として成り立つ事を実践できれば、他の楽器の専門店と遜色のないアコーディオン店が後に続いて行けるのではないか?という思いがあります。安売りしたり、無料化する事でアコーディオンを普及させるというのは一見、みんなの為みたいに思えますが、それは自分の代で終わる持続性のない手段です。注目は簡単に集められる方法ですが、ビジネスとして後の世代に繋がられないので、実は自分を売る事が目的になっている部分があります。きちんとした整備、販売方法、レッスン指導があって、それが職業として成り立てば、アコーディオンを始める人の為になり、真の普及に繋がる事でしょう。

 Q)ご自身でもアコーディオンを演奏されますね、この楽器にはどんな魅力を感じますか?

良い特徴を沢山持った楽器です。ギターのようにポータブルで、ピアノのように和音が出て、管楽器のように歌えて、弾き語りもできて、電源不要で大きな音が出る。こんな楽器は他に見当たりません。その他、大小の選択ができるとか、色や外観が多彩など、他の楽器に無い特徴があります。丈夫で寿命も長く、維持費は案外安いので、高価ですが元は取れます。個人的には、複雑機構で成り立っている部分が魅力です。

※お店には2部屋防音室を完備、レッスンや試奏に対応しています。

Q)ありがとうございます。最後に中山さんからのメッセージをお願いします!

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アコーディオンを始めた頃、インターネットは一般的ではなく、教室の存在を知る事もできませんでした。なので、楽器と共に教則本を買いました。その教則本には、「蛇腹は8の字を描くように操作し、音が途切れないように切り返す」と書いてありました。それを信じて何カ月も練習しましたがうまくできませんでした。その後、教則ビデオがある事を知り、2種類のビデオを入手して見てみると、蛇腹は8の字に動かしておらず、音は切り返しで途切れるのでタイミングが重要との事でした。正しい事を知らないのは大きな損失になります。今は沢山の動画がネットで見られますが、正しい事を伝えていないものが沢山あります。

アコーディオンは他の楽器と比較して演奏している人が少なく、希少な事に甘んじている部分があると感じます。正しい情報を得る為の行動、時間、費用を惜しまないでください。それが自分を高める為の一番、安くて、短時間な方法です。

 

ありがとうございました!

 

店舗情報

456-0003 名古屋市熱田区波寄町4-21 津田ビル101  

電話: 052-618-8914

E-mail monte-accordion@shop.email.ne.jp

ホームページ・アコーディオン専門店 monte accordion モンテアコーディオン 販売、修理、教室 (www.ne.jp)