蛇腹党インタビューvol.13 味わい深い楽曲、癒しの歌声姫、中山うりさんです!
—シンガーとして歌う事はもちろん、沢山の楽器を演奏されますが、
メインのトランペットやギターの中に
アコーディオンを選んだ理由はなんですか?
「作曲や歌う事を始めて間もない頃、ギターやピアノといったよくある弾き語りにはない未開拓の面白さがあるのでは?という興味ではじめました。とりあえずやってみないことにはわからないという気持ちで、正直最初は衝動買いです。」
—うりさんは、アコーディオンのどんなところに魅力を感じますか?
「音色自体に物語を感じるというか、人の声と似て歌うニュアンスが出せるのが魅力だと思います。ギターやピアノは音が減衰していきますが、生楽器で音が膨らませることができたり、揺らせたりするのは面白いと思います。」
—歌いながらアコーディオンを弾く方は少ないと思うのですが、当初難しいとは思いませんでしたか?
「小さい頃にエレクトーンをやっていたのもあり、同じ鍵盤楽器だからなんとかなると思ったのが甘かったのですが、アコーディオンは独学で突然はじめてしまったので、特に左手のボタンと、蛇腹の扱いがメロディーが途切れてしまったりして難しいと思いました。買ったその日にかついで電車で帰ってきて、案外重たくていきなり後悔しました。
今はYouTubeなどでも世界中の沢山のアコーディオンの奏法見る事ができますが、買った当初はかなり手探りでやっていました。」
—歌いながら演奏する、練習のコツなどはありますか?
「 私はアコーディオニストとしてよりもボーカリストとしての意識の方が強いので、歌をまず優先して、その中でできること、バンドとの演奏の中でどうしたらアコーディオンが効果的に機能するか?と考えながら演奏します。歌の合いの手的に考えるようになってからは少し楽になりました。「ずっと頑張らなくていい」というか、その方が全体のアンサンブルとしても聴きやすくなるのかなという風にも思っています。
アコーディオンはとても個性のある音色だと思います。それを活かした曲ももちろんありますが、バンドの中では少し浮いているというか溶けにくい音色でもあると感じる事もあるので、曲調によっては入れすぎないとかアコーディオンが全体を支配しすぎないように、とは思っています。」
—そしてライブとなると更に沢山の楽器がバンドで参加し、ライブがとても豊かさに溢れていると感じます。
この楽曲にはこの楽器の音を入れよう、という様に楽器を選んでいるのでしょうか?
「レコーディングも含めてバンドでベースも弾いてる共同制作者(バンドマスター)の南勇介と相談しながら決めています。
『よくあるもの』にならないようにとか、どうしたら個性を活かせるかな?と考えて作っています。
ライブでは、単にピアノ、ギター、ドラム、ではなくて、それぞれのバンドメンバーの個性を活かせるようなアレンジの方向に持っていけるようにしています。」
—よく聞くと沢山の楽器の音が入っているのに、凄くシンプルな楽曲に感じるのですが、
個人的には聞いていて楽器の音の特徴を活かして差し込んでいるなあと感じるのですが、重ねて行くときにそのように意識されているのでしょうか?
「 私の場合、作曲の時点ではギターなどの弾き語りでラフスケッチしてスキャットでつくる事が多いのもあり、ここ最近はギターと歌だけで成立する曲が増えてると思います。
でも曲がシンプルだからこそ、楽器の音色で雰囲気を作れたらいいなと思っています
最近は生楽器を使わないスッキリした音楽が流行っていますが、自分の場合はどうしたら声にスポットライトが当たるか、プラスしていくだけではなくて音を減らして隙間をつくるということもよく考えます。」
—うりさんの中から溢れ出る美しい楽曲のルーツは何だと思いますか?
作品が出てくる衝動みたいな物はありますか?
「 元々、歌よりトランペットの方が先だったのですが、父の影響でサッチモを聴くようになりました。いまだに好きでよく聴いてますが、発見がたくさんあります。
他にはほんの一部ですが、高校時代に吹奏楽部で触れたドビュッシーやラヴェルの美しい旋律やハーモニーを耳にした時に子供ながらに心を揺さぶられたのを覚えています。
影響されているかは分かりませんが…。
歌うようになってからは、特にブラジル音楽(Marisa Monte 、Jorge Ben Jor、Gilberto Gil 、Caetano Veloso 、DOMINGUINHOS 、Milton Nascimento 、GAL Costa、BETH CARVALHO 、
Elis Regina、Joyce、など)
を好んで聴くようになりました。
メロディアスであり、リズムも面白い。美しいけど小粋で洒落ていてユーモアがあったりと、歌詞の意味がわからないのに惹きつけられました。
アコーディオンを使っている音源も多かったので、歌に対してこういう使い方もあるんだなあ、と勉強にもなりました。
パワフルな方もいますが、割と落ち着いてるというか、芯はあるけど柔らかい声の人が多いのも好きになったきっかけかもしれません。」
—最近の人生で、音楽でも音楽以外でも一番気になっている事はありますか?
「 音楽については、こんな時代なのでライブは普段通りになかなかできなくなっていますが、作り続けられるかどうかがこれを機に今問われている気がしています。
季節も良くなってきたので、また制作に力を入れていきたいです。
音楽以外では、最近刺繍にハマっています。気分転換にもなるので、カラフルな刺繍糸を見ているだけでも幸せというか無心になれます。
近いうちに刺繍やビーズを使ったアクセサリーの商品化も考えています。」
—うりさんがデザインしたアクセサリーが販売される予定なんですね!それは楽しみです!!
—いま一番したい事はなんですか?
「 誰かのライブに普通に行きたいです。」
—これからの中山うりの姿を教えて下さい。
「みていてください。」
—-有難うございます!
先日の4月3日にBellows Works Tokyo初店内LIVEにご出演頂きました!
その時の映像が当YouTubeチャンネルより公開されております!
—ライブ告知 CDリリース予定など。
【上野】中山うり@ YUKUIDO工房
座席数を限定しての開催です。日常を忘れられるひとときにしたいなあ、と思ってます。配信なしの予定です。
【日時】2021年 6/27(日)受付中!
開場16:30/開演17:00
換気のため休憩あり
【会場】YUKUIDO工房
東京都台東区東上野4-13-9
【料金】3500円
【ご予約】
今回の他の撮影写真やオフショット等はSNSにたくさんアップされますのでチェックしてみてくださいね!
撮影:一色 卓丸 / ヘアメイク:鎌田 真理子 / Direction:蛇腹党
撮影協力:Bellows Works Tokyo , YellowYellow
中山うり プロフィール
1981年 1月9日 埼玉生まれ。
シンガーソングライター。
主に子供の頃に触れた様々な経験や感触、東京での日々の暮らしをミクロな視点で音楽表現することをモットーに制作。
アコーディオンやトランペット、
バンド編成からギターの弾き語りまで様々なスタイルでライブをする。
幼少期に父親の影響でジャズやラテン音楽、
2011年、自身作詞・曲の「回転木馬に僕と猫」がNHK「
2012年からセルフプロデュースでアルバム『ホロホロ』、
2015年、ギター弾き語りアルバム『ぼっち』
2016年、9thアルバム『マホロバ』リリース。
2016年Eテレ(教育)「シャキーン!」
2018年4月に10thアルバム『カルデラ』リリース。
CM音楽では歌唱、ナレーションなど担当したり、
現在、東京北区の全15箇所の図書館の閉館音楽に「
2020年4月リリースされた髙城晶平(cero)のソロプロジェクト“Shohei Takagi Parallela Botanica“の1stアルバム「Triptych」にコーラス等で参加。
2020年6月に11thアルバム『11』、9月に初のライブアルバム『SAMSA』をリリース。
デジタル配信先行で『おそい光』『ホイアン』を8月にシングルリリース。