蛇腹党インタビューVol.12 2021年の1発目は西のプリンス秦コータローさんです!
—-秦さんは、2019年に一年のソロツアーを開催して、蛇腹党はそちらのツアー最終日の銀座ヤマハホールにグッズ製作で参加させて頂きました。
その節はお声かけありがとうございます。満員御礼!すごいですね!とても素晴らしいライブでした!
「こちらこそありがとうございました!2019年は活動を始めて10年という節目で、
大阪から東京に拠点を移して間もない自分にとって大きな挑戦の1年でした。
グッズは勿論その他の色々な面で相談にのって頂いた蛇腹党さんには本当に感謝しております。」
—-秦さんの現在に至るまでの経緯を教えてください。
「1990年大阪生まれ、ピアノの先生だった母の影響で幼少の頃からクラシックピアノを始めたのが音楽に触れた最初の経験です。
アコーディオンとの出逢いは小学生の低学年の頃でした。
父親がたまたま梅田の地下街を通った時に素敵なストリートミュージシャンに出逢ったと言って、買って帰ってきてくれた大阪イグザイルのCD(後の鞴座鞴座(ふいござ)official site (eonet.ne.jp))。
サックス×ギター×アコーディオンのトリオ、オリジナル曲中心にパリミュゼットを始めワールドミュージックを演奏する彼ら。
この出逢いが僕の人生を大きく変えたと思います。
彼らの出す音が当時の僕に衝撃を与えたのと同時に、ピアノと同じ鍵盤を持つアコーディオンという楽器へどんどん興味を惹かれていきました。けれどアコーディオンが一般的な楽器店には売られていないのが現状でもありました。
また楽器自体も高価なものなので親にもお願いし辛く、大学に入学して1年間アルバイトをし、
今は残念ながら閉店してしまいましたが名古屋のアコーディオン専門店【山本楽器】へ購入しに行ったのが始まりです。
最初はほぼ独学で、途中からザッハトルテのアコーディオン・都丸智栄さんに教わり、
烏滸がましくも色々な現場に連れて行って頂き、演奏の経験を積ませて頂きました。
幼少の頃に受けた音楽の感動を自分自身も発信していきたいという思いから、
関西を中心にインストユニットでの活動を続けていましたが、
活動休止したタイミングでソロ活動に転向して2018年に上京し今に至ります。」
—-アコーディオンに出会ってから、アコーディオンにのめり込むきっかけや魅力はなんだったのでしょう。
「見た目や音色など魅力挙げだしたらキリが無いのですが、
自分にとって1番の魅力は持ち運べる事かもしれませんね。
その上アコーディオンはメロディも伴奏も1台で完結出来てしまう万能楽器ですから。
キーボードやシンセサイザーなどにも魅力は勿論沢山あるのですが、
僕自身は生の楽器の音(サンプリングされた音では無いという意味)を届けたいという気持ちが強かったので、
そういう意味でアコーディオンという選択が最適だったのだと思います。
ピアノはどう頑張っても持ち運べないですしね 笑。
自分の楽器を持って色々な所に行って演奏するというのは一つの夢でもありました。
色々な場所をアコーディオンと旅して、苦楽を共にしてきたので楽器に対する思い入れも人一倍強いと思います。」
—-実際のところ、アコーディオンは難しい楽器だと思いますか?
「凄く簡単です!とは言えないですが、決して演奏するのが難しい楽器では無いとも思います。
ただアコーディオンは日本においてあまり目に触れることも少ないので
必要以上に難しそうというイメージを持たれがちなのかもしれません。
例えばギターやピアノのようなメジャーな楽器は恐らく誰しもが一度は実際に触れたり、耳にする事がありますが、
アコーディオンは何となく見た事がある人がいる程度で、実際に触れたことのある人はきっと僅かだと思います。
例えば蛇腹の使い方だったり左手のボタンだったり、、、
初めて経験する要素が多いので最初の取っ掛かりは大変に感じてしまうかもしれませんが、
実際に演奏する面においてボタンの配列はとても理にかなっていますし、
鍵盤を抑えて蛇腹を動かせばすぐ音が出るので、
音を出すということにおけるハードルも非常に低いです。
アンサンブルもやりやすい楽器ですしね。
何だか難しそう、という先入観無しに考えれば比較的始めやすいし、
上達も早い楽器のように感じます。」
—-これからの野望や展望やご予定などございましたら教えてください。
「2020年は予定していたスケジュールがどんどん白紙になっていく中、
改めて自分が音楽を続けることや、演奏家として活動する意味を問われ続けた1年だったように思います。
今年に入ってさらに終わりの見えないウイルスの逆風が吹き荒れていますが、
こんな時だからこそ音楽を作り続けて、発信をしていきたいです。
いま参加させて頂いている舞台『マインドリマインド〜I am…〜』の演出家・木村淳さんが稽古期間の始まる前に、
『演劇は暮らしを豊かには出来ない。でも、人生の色合いをほんの少し豊かに彩ることはできる。』
という言葉を仰られていました。
勝手な僕の自己解釈にはなりますが、『演劇』の文字を『音楽』に変えても同じことが言えると思っていて、
音楽や舞台に関わらせて頂いている者として、とても響いた言葉です。
この精神を元に今の状況下で自分の出来ることや、やりたいと思えることにチャレンジをして
応援頂いている人やまた音楽を求めて下さる方に自分の音楽が届けば幸せだなと心からそう思います。」
—-有難うございます!
今回の他の撮影写真やオフショット等はSNSにたくさんアップされますのでチェックしてみてくださいね!
撮影:一色 卓丸 / ヘアメイク:鎌田 真理子 / 衣装:ARCH∧BES(アークビス) / Direction:蛇腹党
撮影協力:Bellows Works Tokyo ,
秦コータロープロフィール
1990年9月14日生まれ。大阪出身。幼少の頃からピアノを学び、
2009年に神戸大学へ入学すると同時に音楽活動を始める。
2010年開催された第4回ローランドVアコーディオンフェスティバル日本予選ファイナルに出場
アコーディオンとピアノを用いてのソロライブ活動やアーティストへの楽曲提供、バンドやアーティストのサポートなどの活動を行う傍ら、
2014年にはTV東京系列【美の巨人たち】のエンディングテーマ曲『風を喚ぶ乙女第二楽章』(曲・ザッハトルテ)にピアニストとしてレコーディングに参加
2016年後期より放映のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』に出演、
またドラマ内で使われる軍歌のレコーディングにアコーディオンで参加
2018年1月より上京
同年5月に開催された世界で活躍するアコーディオニストcoba氏主催のアコーディオンの祭典「Bellows Lovers Night vol.16」出演、
同年9月には自身初となるソロアルバム『照らす光』をリリース。
吉祥寺STAR PINE’S CAFEにてレコ発ライブを開催し超満員で大成功に収める
同年10月東京ビッグサイトで開催された『楽器フェア2018』アトリウムステージに出演
2019年1月2月Bunkamura30周年記念舞台『罪と罰』(三浦春馬主演)に出演、
同年9月秦コータロー活動10周年ワンマンライブ【4season~autumn~】を銀座ヤマハホールにて開催。300名を動員
同年11月ブラジル・サンパウロで開催されたラ米最大のユダヤ系音楽祭「クレズマーフェスティバル」(Kleztival)に「ジンタらムータ/Jinta-la-mvta」のメンバーとしてアジア初出演
2020年NHK連続テレビ小説『エール』出演
ピアニスト、アコーディオニストとして従来の形にとらわれない幅広い活動を続けている